ドクター スリープ 評価。 映画『ドクター・スリープ』ネタバレ感想 シャイニングよりも好き│今日も映画ですか?

ドクター・スリープ

ドクター スリープ 評価

オーバールック・ホテルでの悪夢のような出来事がトラウマになっているダニーは大人になってから酒に溺れていた。 ダニーは酒絡みでトラブルを起こし、刹那的に生きていた。 そんなある日、ダニーは小さな町に引っ越し、面倒見のいい友人ビリーと知り合ったことをきっかけに仕事や家を紹介してもらい、アルコール中毒のリハビリをするようになる。 やがてダニーは自分と同じシャイニングの能力を持つ少女アブラとテレパシーで交信を始める。 一方、ローズ・ザ・ハットはシャイニングの能力を持つ子供たちを探し出し、彼らを殺したときに放出されるスチームを餌にして不老の肉体を得ようとしていた。 ローズは、催眠術のようになんでも言うことを聞かす能力を持つアンディを仲間に入れ、次なる獲物を狙っていた。 アブラはローズが次々と人々を殺していることを察知し、ダニーに助けを求めに行く。 やがてローズは強力なシャイニングの使い手であるアブラの存在に気づき、彼女を探し出そうとする。 ドクター・スリープのキャスト• ユアン・マクレガー• レベッカ・ファーガソン• クリフ・カーティス• カール・ランブリー• エミリー・アリン・リンド• ブルース・グリーンウッド• ジェイコブ・トレンブレイ ドクター・スリープの感想と評価 マイク・フラナガン監督による、ホラーの名作「」の続編にして、スティーブン・キングによる同名小説の実写化。 完全に前作の世界観をぶっ壊し、チープなヒーロー映画に仕上げた侮辱作品。 キューブリックが見たらブチ切れること間違いなしの駄作です。 これのどこがどうホラーなのか理解できないし、心理的に迫る恐怖などは皆無でした。 え? シャイニングってこんな話だっけ?っていうほど、前作とは無関係の話で、終盤にちょこっとオマージュシーンと過去シーンを見せたら続編の出来上がりでしょ?みたいなノリで作ってます。 主な問題点を挙げると、こんな感じになります。 テンポが悪い• 上映時間が長すぎ• 無駄なシーンが多すぎ• テレパシー使い過ぎ• ビジョン使い過ぎ• 場面が唐突に移り変わりすぎ• 心臓音のBGMに頼りすぎ• シャイニングの能力を拡大解釈させすぎ そもそも原作に問題あり、という説も否めないんだけど、映画シャイニングの根強い人気にあやかろうとし、続編ブームに便乗して、大して実力もない監督に撮らせたらどうなるかというのは最初から目に見えてましたよね。 「」の成功ってやっぱりあの最高のロケーションと、ジャック・ニコルソンをはじめ、シェリー・デュヴァルの顔芸と、マニアの好奇心をくすぐる謎とスタンリー・キューブリックの美術性と芸術性の高い演出が奇跡的に重なったことが要因だと思うんですよ。 それに対し、この映画は芸術性は完全に排除されているし、ユアン・マクレガーの演技ではとてもジャック・ニコルソンには太刀打ちできないし、狂気を感じさせてくれる出演者が一人もいません。 さらに肝心のストーリーが特殊能力を持った正義の味方と悪者の対決、というなんとも安っぽい構図になってるんですよ。 それも登場人物の目が白く光ったりするもんだからXメンでも見てるのかと錯覚しちゃいました。 あと、一瞬、これMナイト・シャラマンの映画じゃないよね?って思う箇所もいくつかありましたね。 つまり意味不明ってことです。 そもそもシャイニングって、少なくとも映画の中では、普通の人が見えないものが見えたり、聞こえたり、感じたりするっていうもっと抽象的な霊感のようなものじゃなかったっけ? それが本作から急に催眠術をかけたり、相手を突き飛ばしたり、相手の頭の中に憑依したりする、分かりやすいスーパーパワーに変わっちゃってるのが笑えました。 もしかしてシャイニングって技の名前なの? そのうち「行くぜ、スーパーシャイニーング!」とか言いながら敵を攻撃するんじゃないのかと思ってはひやひやしました。 それもそれぞれの登場人物が独自の能力を身に着けたりしていて、まんまスーパーヒーロー映画なんですよ。 なによりラスボスがこれだからね。 特徴がハットだけっていうね。 そんでもって呼び名がローズ・ザ・ハットって絶対笑いを取ろうとしてるでしょ? 終盤、ダニーとアブラはラスボスのローズをおびき寄せるためにあの有名なオーバールック・ホテルに向かいますが、その流れも不自然極まりなく、ストーリー的に必要かどうかよりも、シャイニングの続編と呼ぶにはそうするしかなかった、としか思えませんでした。 そこからはオーバールック・ホテルといえばこれ!といったようなエレベーターから大量の血が流れてくるシーンやバーテンダーと話すシーンや迷路のシーンが、ストーリーとは全く関係ないところで割り込んで来るだけで、だからどうしたの?としか言いようがないんですよ。 そんなに過去のシーンが見たいなら「」見るって。 ラストは最近の流行に沿って続編があるかもよ的な余韻を残して終わっていくのも嫌ですね。 なにが「ほかにもシャイニングの能力を持った人間はいる」だよ。 だったらそいつらも一緒に出せよ。 そもそもそんなにたくさんいるんだったら特別な能力でもなんでもないじゃん。 私はシャイニング、ドクター・スリープ共に原作を読み、映画も見ました。 学生で若輩者ではありますが、スティーヴン・キングの原作と映画の比較を専門に研究している身としてコメントさせていただきます。 まずスティーヴン・キングという作家の作品の特徴として視覚的表現が細かい作家であるということがあげられます。 時にしつこいほど登場人物に言動や心情の変化を事細かに書き記す作家です。 彼が重要視しているものは日常に潜む誰にでも降りかかるような恐怖だと言われています。 そのため、本来原作シャイニングで彼が描いていたのは、変化していく自分に恐怖を感じながらも狂ってしまっていく自分 ジャック 自身というものだと私は解釈しております。 その上でキューブリック版の映画は映画と原作の比較におけるアダプテーション 変更したり補正されること 方法は「圧縮」だと言われています。 長い物語を主人公ジャックをただ夢見ているだけの男として表現したり、幽霊の存在を有閑階級が誇示した20年代というものとしたり、クライマックスの変化なども物語として局地的に表現されているものがキューブリック版だと考えられており、もちろんキングがどう言おうと映画としてはキューブリック版は大変有名ですし、キューブリック版はそういった「圧縮」があったからこそ多くの人に好まれているということは周知の事実です。 今作ドクター・スリープが映画派の方々に受け入れられない理由として、キューブリック版を取り入れつつ、原作の要素も失わないよう映画が制作された為であると考えられます。 キューブリック版の続編と考えると、繋がらない部分もあると私自身も感じています。 しかし、キューブリックの映画で切り取られていたダンとジャックの父子の関係性や、「シャイニング」とそれを使用したシーン等を盛り込みつつ、本来原作にはあまりないホラーの要素を感じさせるのが映画版ドクター・スリープであったと感じています。 映画版、原作版で好みが分かれるのは当然のことですし、別物だと捉えることはできますが、極めて同様のものだと捉える考え方もあります。 キング作品の中ではスタンド・バイ・ミーやグリーン・マイル等がその筆頭ですね。 ただ、シャイニングとドクター・スリープに関しては、キューブリック版が原作からかけ離れてしまったがために、ドクター・スリープは原作とキューブリックの間をいかなければならなかった様に思います。 映画と原作共に触れている方であれば受け入れられたかもしれませんが、キューブリック版を好まれる方には今作は不評なのだろうなというのが私の考えです。 監督自身が自分でストーリー書ける人だから、原作改編してもっと好きにやっちゃえば、娯楽映画としては良作になった気がする。 そもそも、原作自体が無理やり「シャイニング」の続編にしているだけで、「よく出来たヤング・アダルト小説」レベルの作品だから、プロットが結構スカスカで映画化にあたって脚本家がイジる余地なんか十分あったわけで。 キングとキューブリック両者に媚び売って右往左往して撮った結果がこれ。 キングは本来的に「ストーリー・テラー」で、それに対してキューブリックはストーリーはあまり重視しない「抽象表現」的な「画づくり」の監督。 この全く正反対の二者に目配せして折衷作品作ったら駄作になるのは最初から分かりきっている。

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ドクター スリープ 評価

「かがやき」を持っているがゆえに狙われることになってしまったダニーとアブラは、戦いを経てどこへ向かうことになるのか……怖さだけではない、新しいホラー小説ともいえる内容です。 2019年に映画化がなされる本作。 公開日は、アメリカでは11月8日、日本では11月29日に決定しました。 前作の映画『シャイニング』では、スタンリー・キューブリックが監督を務めましたが、本作ではマイク・フラナガンが監督を務めます。 そのほかのキャストは、大人になったダニーを演じるのは、「スター・ウォーズ」など数々の有名作に出演したユアン・マクレガーです。 マイク・フラナガンは数々のホラー映画を手掛けている監督。 キューブリックとはまた違う世界を楽しむことができるでしょう。 『ドクター・スリープ』の前作である『シャイニング』。 この作品は、スタンリー・キューブリックによって映画化されたものが有名で、読んたことがなくても映画を見た人や、タイトルは知っているという人も多いのではないでしょうか。 『シャイニング』は、コロラド州の雪深いロッキー山にあるホテルが舞台のホラー小説。 主人公は、このホテルで冬の間だけ管理人をすることになった小説家志望のジャックです。 彼は妻のウェンディと息子のダニーを連れて、ホテルへやってきました。 しかし、このホテルはジャックと同じように、過去に家族とともに管理人としてホテルに訪れた男、グレディが家族を皆殺し、その後自殺したという惨劇の過去がありました。 そして、その亡霊は未だにホテルをさまよっていたのです。 最初はホテルの過去に関心を持たなかったジャックでしたが、ホテルの過去や亡霊に取り込まれてしまい、遂にはウェンディやダニーに襲い掛かり……とラストに繋がっていくのが大まかなストーリーです。 一見、王道のホラーですが、ホテルの過去を知っていく様子やダニーが自分達以外の存在に気付くシーンなど、じわじわと足元から這い上がってくる恐怖は、ぜひ読んで味わって頂きたいと思います。 『シャイニング』に登場する息子のダニーが、『ドクター・スリープ』の主人公になります。 ダニーは、幽霊や幻想を見たり、テレパシーのような会話ができたりする超能力「かがやき」を持っていました。 「かがやき」を持つダニーは、この能力を生かし『シャイニング』では重要な役割を担います。 「かがやき」は『シャイニング』でも『ドクター・スリープ』でも物語の根本に関わる重要な超能力ですので、ぜひチェックしておきましょう。 原作小説『ドクター・スリープ』の見所をネタバレ!主人公・ダンがアル中の大人に!? その理由とは…… 前作で登場した時はまだ小さな少年だったダニーは、30年経ち、すっかり大人になっていました。 しかし、壮絶な事件を経験し、親を亡くしたダニーは、父親と同じようにアルコール中毒になり、まさにどん底のような人生を送っています。 本作の前半では、そんなダニーの人生が淡々と描かれていきます。 まだ子供だった彼が、事件のトラウマを抱え、父親とそっくりな弱い精神力、そして「かがやき」を持っているゆえの苦しみを感じ、堕落しながら成長していく姿には胸が締め付けられます。 しかしそのつらい経験があるからこそ、少女・アブラの存在や、彼女と一緒に戦いに身を投じていく姿、過去と決別する覚悟が、際立って読者の胸を打つのかもしれません。 また前作を読んだ人にとっては少し辛い場面もあるかもしれませんが、ダニーが戦いを経て新たな一歩を踏み出していく姿に、きっと感動できることでしょう。 原作小説『ドクター・スリープ』の見所をネタバレ!ダンと同じ能力を持つ少女・アブラ登場! 本作で主人公のダニーとともに重要なキャラクターは、ダニーと同じ力「かがやき」を持つ女の子、アブラ。 しかし同じ能力といっても、力の強さはダニーを遥かに超えています。 そんなアブラとダニーは、「かがやき」がお互いに引き寄せ合うのか、運命的な出会いを果たします。 このアブラとの出会いが、ダニーとにっては新たな戦いの始まりだったのです。 本作には、「かがやき」を食べる一族「真結族」が登場します。 アブラは自身の力の大きさゆえに、一族に狙われてしまいました。 ダニーはそんな彼女とともに「真結族」と戦います。 彼も捕食の対象です。 彼は自分のためでなく、アブラを守るために敵に立ち向かいます。 アブラの力の強さは、後半の戦いの中で、いかんなく発揮されるので、ぜひ注目してみてください。 「真結族」は、本作で登場するダニー達の敵となる一族。 「真結族」は、人の超能力、つまりダニーやアブラの持っている「かがやき」を食べて長い時間を生きています。 イメージとしてはヴァンパイアに近いでしょう。 捕食対象として狙われることになったダニーとアブラは、この「真結族」と戦うことになるのですが、その戦いが本作の後半のメイン。 彼らは、アブラを支える人間達と協力して「真結族」と戦っていきます。 アブラやダニーが真結族と直接対決する場面は、戦いの緊迫感がこちらにも伝わっていきます。 アブラの力がかなり強いため、敵との戦闘シーンでは爽快感があります。 また、上巻と比べるとかなりスリル満点な雰囲気なので、ハラハラしながら一気に読み終えることができるはずです。 原作小説『ドクター・スリープ』の見所をネタバレ!意外な結末!待っているのは絶望?それとも……? 特別な力である「かがやき」を持ったアブラの両親の苦悩やダニー自身が自分の過去を乗り越え成長しようとする姿を描くことで、単純なホラーで終えず、物語に奥行きを出すスティーヴン・キングの魅力でしょうか。 ラストでは、ダニーとアブラの思いがけない関係なども明かされ、その意外な展開に驚く方も多いかもしれません。 下巻は一気に読み進めたくなる一冊なので、ぜひお休みの日などまとまった時間の時に読んでみてはいかがでしょうか。 『ドクター・スリープ』は、『シャイニング』を知っている方はもちろん、読んだことのない方でも十分に楽しむことはできるでしょう。 ただ、『シャイニング』の基本設定や登場したキャラクターなども出てくるので、読んでおくとより楽しめることは間違いありません。 これを機会に、ぜひ前作と合わせて読んでみてはいかがでしょうか。

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おすぎの勝手に批評映画ブログ 【ドクタースリープ】

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オーバールック・ホテルでの悪夢のような出来事がトラウマになっているダニーは大人になってから酒に溺れていた。 ダニーは酒絡みでトラブルを起こし、刹那的に生きていた。 そんなある日、ダニーは小さな町に引っ越し、面倒見のいい友人ビリーと知り合ったことをきっかけに仕事や家を紹介してもらい、アルコール中毒のリハビリをするようになる。 やがてダニーは自分と同じシャイニングの能力を持つ少女アブラとテレパシーで交信を始める。 一方、ローズ・ザ・ハットはシャイニングの能力を持つ子供たちを探し出し、彼らを殺したときに放出されるスチームを餌にして不老の肉体を得ようとしていた。 ローズは、催眠術のようになんでも言うことを聞かす能力を持つアンディを仲間に入れ、次なる獲物を狙っていた。 アブラはローズが次々と人々を殺していることを察知し、ダニーに助けを求めに行く。 やがてローズは強力なシャイニングの使い手であるアブラの存在に気づき、彼女を探し出そうとする。 ドクター・スリープのキャスト• ユアン・マクレガー• レベッカ・ファーガソン• クリフ・カーティス• カール・ランブリー• エミリー・アリン・リンド• ブルース・グリーンウッド• ジェイコブ・トレンブレイ ドクター・スリープの感想と評価 マイク・フラナガン監督による、ホラーの名作「」の続編にして、スティーブン・キングによる同名小説の実写化。 完全に前作の世界観をぶっ壊し、チープなヒーロー映画に仕上げた侮辱作品。 キューブリックが見たらブチ切れること間違いなしの駄作です。 これのどこがどうホラーなのか理解できないし、心理的に迫る恐怖などは皆無でした。 え? シャイニングってこんな話だっけ?っていうほど、前作とは無関係の話で、終盤にちょこっとオマージュシーンと過去シーンを見せたら続編の出来上がりでしょ?みたいなノリで作ってます。 主な問題点を挙げると、こんな感じになります。 テンポが悪い• 上映時間が長すぎ• 無駄なシーンが多すぎ• テレパシー使い過ぎ• ビジョン使い過ぎ• 場面が唐突に移り変わりすぎ• 心臓音のBGMに頼りすぎ• シャイニングの能力を拡大解釈させすぎ そもそも原作に問題あり、という説も否めないんだけど、映画シャイニングの根強い人気にあやかろうとし、続編ブームに便乗して、大して実力もない監督に撮らせたらどうなるかというのは最初から目に見えてましたよね。 「」の成功ってやっぱりあの最高のロケーションと、ジャック・ニコルソンをはじめ、シェリー・デュヴァルの顔芸と、マニアの好奇心をくすぐる謎とスタンリー・キューブリックの美術性と芸術性の高い演出が奇跡的に重なったことが要因だと思うんですよ。 それに対し、この映画は芸術性は完全に排除されているし、ユアン・マクレガーの演技ではとてもジャック・ニコルソンには太刀打ちできないし、狂気を感じさせてくれる出演者が一人もいません。 さらに肝心のストーリーが特殊能力を持った正義の味方と悪者の対決、というなんとも安っぽい構図になってるんですよ。 それも登場人物の目が白く光ったりするもんだからXメンでも見てるのかと錯覚しちゃいました。 あと、一瞬、これMナイト・シャラマンの映画じゃないよね?って思う箇所もいくつかありましたね。 つまり意味不明ってことです。 そもそもシャイニングって、少なくとも映画の中では、普通の人が見えないものが見えたり、聞こえたり、感じたりするっていうもっと抽象的な霊感のようなものじゃなかったっけ? それが本作から急に催眠術をかけたり、相手を突き飛ばしたり、相手の頭の中に憑依したりする、分かりやすいスーパーパワーに変わっちゃってるのが笑えました。 もしかしてシャイニングって技の名前なの? そのうち「行くぜ、スーパーシャイニーング!」とか言いながら敵を攻撃するんじゃないのかと思ってはひやひやしました。 それもそれぞれの登場人物が独自の能力を身に着けたりしていて、まんまスーパーヒーロー映画なんですよ。 なによりラスボスがこれだからね。 特徴がハットだけっていうね。 そんでもって呼び名がローズ・ザ・ハットって絶対笑いを取ろうとしてるでしょ? 終盤、ダニーとアブラはラスボスのローズをおびき寄せるためにあの有名なオーバールック・ホテルに向かいますが、その流れも不自然極まりなく、ストーリー的に必要かどうかよりも、シャイニングの続編と呼ぶにはそうするしかなかった、としか思えませんでした。 そこからはオーバールック・ホテルといえばこれ!といったようなエレベーターから大量の血が流れてくるシーンやバーテンダーと話すシーンや迷路のシーンが、ストーリーとは全く関係ないところで割り込んで来るだけで、だからどうしたの?としか言いようがないんですよ。 そんなに過去のシーンが見たいなら「」見るって。 ラストは最近の流行に沿って続編があるかもよ的な余韻を残して終わっていくのも嫌ですね。 なにが「ほかにもシャイニングの能力を持った人間はいる」だよ。 だったらそいつらも一緒に出せよ。 そもそもそんなにたくさんいるんだったら特別な能力でもなんでもないじゃん。 私はシャイニング、ドクター・スリープ共に原作を読み、映画も見ました。 学生で若輩者ではありますが、スティーヴン・キングの原作と映画の比較を専門に研究している身としてコメントさせていただきます。 まずスティーヴン・キングという作家の作品の特徴として視覚的表現が細かい作家であるということがあげられます。 時にしつこいほど登場人物に言動や心情の変化を事細かに書き記す作家です。 彼が重要視しているものは日常に潜む誰にでも降りかかるような恐怖だと言われています。 そのため、本来原作シャイニングで彼が描いていたのは、変化していく自分に恐怖を感じながらも狂ってしまっていく自分 ジャック 自身というものだと私は解釈しております。 その上でキューブリック版の映画は映画と原作の比較におけるアダプテーション 変更したり補正されること 方法は「圧縮」だと言われています。 長い物語を主人公ジャックをただ夢見ているだけの男として表現したり、幽霊の存在を有閑階級が誇示した20年代というものとしたり、クライマックスの変化なども物語として局地的に表現されているものがキューブリック版だと考えられており、もちろんキングがどう言おうと映画としてはキューブリック版は大変有名ですし、キューブリック版はそういった「圧縮」があったからこそ多くの人に好まれているということは周知の事実です。 今作ドクター・スリープが映画派の方々に受け入れられない理由として、キューブリック版を取り入れつつ、原作の要素も失わないよう映画が制作された為であると考えられます。 キューブリック版の続編と考えると、繋がらない部分もあると私自身も感じています。 しかし、キューブリックの映画で切り取られていたダンとジャックの父子の関係性や、「シャイニング」とそれを使用したシーン等を盛り込みつつ、本来原作にはあまりないホラーの要素を感じさせるのが映画版ドクター・スリープであったと感じています。 映画版、原作版で好みが分かれるのは当然のことですし、別物だと捉えることはできますが、極めて同様のものだと捉える考え方もあります。 キング作品の中ではスタンド・バイ・ミーやグリーン・マイル等がその筆頭ですね。 ただ、シャイニングとドクター・スリープに関しては、キューブリック版が原作からかけ離れてしまったがために、ドクター・スリープは原作とキューブリックの間をいかなければならなかった様に思います。 映画と原作共に触れている方であれば受け入れられたかもしれませんが、キューブリック版を好まれる方には今作は不評なのだろうなというのが私の考えです。 監督自身が自分でストーリー書ける人だから、原作改編してもっと好きにやっちゃえば、娯楽映画としては良作になった気がする。 そもそも、原作自体が無理やり「シャイニング」の続編にしているだけで、「よく出来たヤング・アダルト小説」レベルの作品だから、プロットが結構スカスカで映画化にあたって脚本家がイジる余地なんか十分あったわけで。 キングとキューブリック両者に媚び売って右往左往して撮った結果がこれ。 キングは本来的に「ストーリー・テラー」で、それに対してキューブリックはストーリーはあまり重視しない「抽象表現」的な「画づくり」の監督。 この全く正反対の二者に目配せして折衷作品作ったら駄作になるのは最初から分かりきっている。

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