スタティック ストレッチ。 スタティックストレッチ(静的ストレッチ)の方法と効果、実施タイミングについて

ダイナミックストレッチとは?効果とやり方、スタティックスストレッチとの違い!

スタティック ストレッチ

ストレッチングの目的・効果・種類 公開日:2016年7月25日 01時00分 更新日:2019年8月14日 11時12分 ストレッチングとは ストレッチングとは筋を伸ばす柔軟体操のことで、ストレッチとは「伸ばす」という意味です。 ストレッチングは、1970年代に柔軟性を高めるための運動として、アメリカのボブ・アンダーソンにより開発されました。 身体をリラックスさせたり疲れをとったり、体調を整える等の目的で行われます。 筋を伸ばすという目的で行われるストレッチングには、いくつか種類があります。 目的やストレッチングを行う場面、柔軟性に応じて適切な種類を選ぶことでストレッチングの効果を高めることができます。 ストレッチングの目的と効果 柔軟性(関節可動域)を高める ストレッチングを行う事で、筋の柔軟性 関節可動域 が高まる効果があります。 日常生活で座位など同じ姿勢が続いたり、運動で同じ動作が繰り返されたりすることで筋の柔軟性に偏りが出始めます。 筋は関節を通して骨に付着し、筋が収縮することで骨が動かされ腕や脚を曲げることができますが、筋の柔軟性に偏りが出始めると、硬くなった部分では動きが制限されるようになります。 例えば脚を開きたい(開脚したい)のに内転筋 腿の内側の筋肉 が硬くてできないという状態では、硬くなった内転筋が関節や骨を引っ張り、動きを制限しているということです。 そこでストレッチングを行い内転筋の柔軟性を高めると、関節や骨が引っ張られることなくスムーズに開脚ができるようになります。 柔軟性を高めることは、同時に関節可動域を高めることを意味します。 身体中の筋の柔軟性が高ければ、動きが制限されることなく、広い関節可動域を得ることができます。 傷害の予防 運動の前後で行うストレッチングは、準備運動、整理運動として行われます。 運動前のストレッチングはウォーミングアップに含まれ、動きながら行う「動的ストレッチ」が向いています。 動的ストレッチを行うことで、心拍数や血流量を増加させ体温を上げながら関節可動域を高めていきます。 運動後のストレッチングでは、動きを伴わず数秒間伸ばし続ける「静的ストレッチ」により、緊張が残っている筋をリラックスさせていきます。 運動後のストレッチングはクールダウンともいわれ、運動時に収縮-弛緩を繰り返し緊張状態が続いている筋を、体温や心拍数の低下に合わせて時間をかけてゆっくりと弛緩させます。 運動前後に適切なストレッチングを行うことは傷害の予防に必要不可欠といえます。 ストレッチングの種類 同じ筋の柔軟性を高めるストレッチングにも、いくつか種類があります(表)。 柔軟性や場面に応じて行うストレッチングを選びます。 起床後や運動前は動的ストレッチ、就寝前や運動後は静的ストレッチが適しています。 表:ストレッチの種類 ストレッチの種類 内容 静的ストレッチ スタティックストレッチ 反動や動きを伴わず、持続的に関節や筋を伸ばしていく方法 動的ストレッチ ダイナミックストレッチ コントロールした動きの中で筋を徐々に伸ばしていく方法 バリスティックストレッチ 脱力状態を保ち、反動の力によって大きく引き延ばす方法 ストレッチングの注意点 ストレッチングを行う際の注意点がいくつかあります。 注意点を守らなければストレッチングの効果が十分に得られなかったり、逆効果になることがあります。 呼吸をとめない ストレッチングを行っている最中は自然に呼吸を続けます。 呼吸を止めると身体は緊張状態になり、筋が硬くなるため、十分に筋を弛緩させることができなくなってしまいます。 また、呼吸を止めることで血圧が上がるなど身体に負担がかかることがあります。 ストレッチング中は鼻と口を使って細く長く呼吸をしながらリラックスした状態で、気持ちよく筋をストレッチしてみてください。 反動をつけない ストレッチング中は、勢いや反動をつけずに、ストレッチングの対象となる筋を少しずつ伸ばしていきます。 そのため、反動をつけながらストレッチを行うと、反対に筋紡錘の働きにより筋が収縮してしまいます。 反動をつけることで柔軟性が低くなる恐れがあります。 筋肉がどの位伸びているか感知して手足の位置・運動・重量・抵抗の感覚(緊張)を起こす役割があります。 無理をしない ストレッチングは「気持ちいい」範囲内で行います。 柔軟性が低く硬い筋の場合、ストレッチングを行うと痛みを伴うことがあります。 ストレッチングで痛みがある部位を過度にストレッチしてしまうことを「オーバーストレッチ」といい、筋を痛める原因になってしまいます。 「痛気持ちいい」程度で行うと最も効果が得られやすいでしょう。 「今は〇〇を伸ばしている」とストレッチしている筋部位を意識することが大切です。

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スタティックストレッチ(静的ストレッチ)の方法と効果、実施タイミングについて

スタティック ストレッチ

スタティックストレッチの特徴 スタティックストレッチは『 反動や弾みをつけず、ゆっくりと筋を伸張し、その肢位で30秒程度静止するストレッチ』の事を指します。 スタティックストレッチのメリット まず、スタティックストレッチのメリットを挙げてみます。 簡便であり、誰でもできる• 筋肉を痛めるリスクが低い• 柔軟性改善だけでなく、筋緊張緩和の効果もある セルフストレッチとして向いている ストレッチの中には、体を大きく動かしながら、その反動を利用して行うバリスティックストレッチや、直接筋肉を触れてを伸ばしていくダイレクトストレッチなどがあります。 しかし、それらは筋肉を痛めやすかったり、解剖学的な知識が必要だったりすることから、安易にセルフストレッチとして行うことを勧められない場合があります。 それに比べてスタティックストレッチは、高齢者から子どもまで安全で分かりやすいものであり、セルフストレッチに非常に向いている特徴があります。 実際に僕がリハビリの現場においてセルフケアとして指導する内容は、競技レベルの高いアスリートを除いてはスタティックストレッチが主体です。 スタティックストレッチのメカニズム 重要な2つのキーワード スタティックストレッチにとっての重要なキーワードは、次の2点です。 伸張反射• 筋肉には筋紡錘 muscle spindle 、腱にはゴルジ腱器官(golgi tendon organ)という受容器があります。 これらのキーワードを使ってスタティックストレッチを説明すると、次のように言い換えることができます。 筋紡錘は、過度な筋肉の緊張を感知する安全装置でもあります。 筋肉が伸びすぎて損傷してしまわないような役割があるということです。 しかし、その伸張反射が起きてしまえば、効果的に筋肉のストレッチができなくなってしまいます。 伸張反射を起こさないためには スタティックストレッチにおいて、『 ゆっくりと』筋肉を伸ばさなければいけない理由はここにあります。 伸張反射は、急激な筋肉の伸長度合いに比例して起きることになります。 逆に言えば、ゆっくりと筋肉を伸長させていけば、伸張反射は起きません。 これも、筋肉が過度に引き伸ばされて損傷しないための一種の安全装置です。 筋肉が伸長されると、腱も伸長される• 筋肉の緊張を和らげる このように、腱が伸長されることで筋肉の緊張は緩和されることになります。 よって、スタティックストレッチでは『 伸長した肢位で30秒程度静止する』ことが必要なのです。 スタティックストレッチの方法 ストレッチ時間やセット数は、筋肉の状態による ストレッチの時間は大体30秒と述べましたが、これは実際には筋肉の状態によって変わります。 筋肉の状態に影響するものは、大きく分けて次の通りです。 痛みや炎症の有無 年齢 筋肉は、年齢とともにその柔軟性を失っていきます。 20代と60代では、日頃の運動量にもよりますが、60代の方がはるかに筋肉の柔軟性は低下しています。 そこで、年齢が上がれば上がるほど、ストレッチの時間とセット数を増やしていくことが重要です。 20代では30秒3セット程度が基本となりますが、60代では40秒~50秒を3~4セット行っても良いかもしれません。 痛みや炎症の有無 痛みや炎症の起きている筋肉は、防御性収縮が起きている可能性が高く、ただでさえ筋緊張が高い状態にあります。 そのような筋肉に対してスタティックストレッチを行う際には、痛みのない程度のストレッチから始めて、徐々にその伸長する強さを強めていく必要があります。 特に、激しい運動の後には、筋肉内に微細損傷が起きていることもあり、過緊張状態にあることも多々あります。 よって、運動後のストレッチでは特に注意が必要でしょう。 スタティックストレッチの応用 基本は起始・停止を引き離す方法 スタティックストレッチの基本は、筋肉の起始と停止(付着部)を引き離すような方法を取ります。 しかし、中にはその付着部に炎症や痛みが出現していることがあります。 筋肉が骨などに付着する部分では、筋肉が引っ張る力によって、炎症が生じていることがあるからです。 そのような際には、付着部に負担をかけないようなストレッチの工夫が必要です。 起始・停止を自分で作る 例えば、手関節を背屈させる長撓側手根伸筋のストレッチを考えてみましょう。 長橈側手根伸筋は、上腕骨の外側上顆付近から第2中手骨底に付着しています。 よって、通常のスタティックストレッチとしては下の写真のようになります。 赤の点線が筋肉の走行ですので、肘を伸展させた状態で手関節を掌屈・尺屈していきます。 ゆっくりと伸長させ、その位置で30秒以上静止します。 しかし、例えば外側上顆付近で炎症や痛みがあった場合には、この状態でスタティックストレッチを行うことは難しい場合があります。 そんな時には、下の写真のように、付着部手前で筋肉を圧迫します。 筋肉を圧迫したら、外側上顆の方に向かって少し押し上げます。 すると、自分押さえた部分が起始の代わりになるので、ストレッチで引き伸ばされるのは 赤の点線の部分だけとなり、 青の点線では緩むことになります。 これで、痛みや炎症部位に負担をかけずにスタティックストレッチが可能になります。 疾患を想定してみる 例えばオスグッドシュラッター病やジャンパー膝を想定したときに、大腿四頭筋を伸ばしたい時などは、どのようなスタティックストレッチが良いでしょうか。 通常の大腿四頭筋のストレッチは、このような形です。 しかし、これでは 赤の点線が示す通り、膝蓋靭帯や脛骨粗面への影響が大きくなってしまいます。 そこで、膝蓋骨の上を把持するような方法を取ります。 このような方法をとることで、停止部に負担をかけずに大腿四頭筋のストレッチを行うことができます。 スタティックストレッチを行う際には、このように筋肉の特性だけではなく、疾患や病態を考慮した方法も重要です。 運動前のスタティックストレッチは注意 ウォーミングアップについて 一般的に、「運動前にはストレッチをやりましょう」というのは、こわばった筋肉は引き伸ばされる力に対して損傷を起こしやすいからです。 確かにウォーミングアップを行うことで、肉離れや筋内損傷を予防する助けになります。 スタティックストレッチはパフォーマンスを下げる可能性がある しかし注意すべきこととしては、筋緊張の低下は、その直後の運動パフォーマンスを低下させてしまうということです。 スポーツによっては瞬発力が必要なものも多くあり、そのような際には、ある程度の筋緊張を保っておくことが必要です。 スタティックストレッチは、筋がリラックスした状態となってしまうために、瞬発力を発揮しにくくなってしまします。 よって運動前のストレッチでは、スタティックストレッチよりも、ダイナミックストレッチの方が適しています。 まとめ 今回は、スタティックストレッチについてご紹介させていただきました。 比較的リスクが少ないストレッチ方法であり、非常にポピュラーではありますが、そメカニズムを理解したり、伸ばし方を工夫したりすることは大切です。

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スタティックストレッチの効果について【基礎と応用】

スタティック ストレッチ

【目的】 静的ストレッチング 以下ストレッチ の効果的な持続時間については、10~30秒や最低20秒以上必要、または長時間の方が有効で60秒程度の効果が大きい等、諸家により異なっている。 今回、ストレッチの持続時間とその効果について検討したので報告する。 【対象】 膝疾患の既往がない健常成人20名、女性10名(21-54歳、平均30. 7歳)、男性10名(22-35歳、平均28. 8歳)を対象とした。 運動後、大腿四頭筋の他動的ストレッチを行い、ストレッチ前後の大腿四頭筋緊張度(以下Q-tension)を測定した。 ストレッチ持続時間は10秒、20秒、60秒(以下10S、20S、60S)の3種類で、日を変えて行い順番はランダムに選択した。 そして3種類のストレッチについて、運動負荷後におけるストレッチ前後のQ-tensionの変化を性別に比較した。 【倫理的配慮、説明と同意】 本研究は対象者に研究の趣旨を十分に説明し同意を得て行った。 【結果】 女性のストレッチ前後のQ-tensionの変化は、10Sではストレッチ前2. 3kg、後2. 7kgで、ストレッチ後統計的に有意な低下を認めなかった。 20Sと60Sでは、20Sのストレッチ前2. 8kg、後2. 7kg、60Sのストレッチ前2. 0kg、後2. 8kgで、20Sおよび60Sともストレッチ後統計的に有意な低下を認めた。 男性のストレッチ前後のQ-tensionの変化も、10Sではストレッチ前3. 9kg、後3. 7kgで、ストレッチ後統計的に有意な低下を認めなかった。 20Sと60Sでは、20Sのストレッチ前3. 0kg、後3. 7kg、60Sのストレッチ前3. 3kg、後3. 8kgで、20Sおよび60Sともストレッチ後統計的に有意な低下を認め、女性と同様の結果であった。 【考察】 我々は先行研究において、床反力計を用いたQ-tensionの定量的評価で、ストレッチによってQ-tensionが低下することを報告している。 本研究においても、男女ともストレッチ後Q-tensionが低下しており、一致した結果であった。 しかし、10Sでは、男女とも統計的に有意な低下を認めなかった。 このことから、ストレッチの持続時間として10秒では、不十分であることが示唆された。 20S、60Sでは、男女とも統計的に有意な低下を認め、ストレッチの持続時間として、20秒~60秒は有効であることが考えられた。 今回、20Sと60Sとの効果の差については、男女とも明確にすることはできなかった。 これについては、対象者の変更等をして、今後検討が必要と考える。 スポーツ現場等でのコンディショニングにおけるストレッチでは、多数の筋肉をストレッチする必要があるため、効果的でかつ短時間であることが望まれる。 そのため60秒では長すぎると思われ、一般的に20秒程度を適当としていることは妥当と考える。 【理学療法学研究としての意義】 理学療法においてストレッチは、臨床的によく行われている治療法であり、その効果的な持続時間を検討することは、ホームエクササイズとしてストレッチを指導していく上で、とても重要である。 そして今後は、ストレッチの反復回数等の影響や、ストレッチ効果の持続性について検討していく必要がある。

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