スープラ 試乗 車。 GR スープラ

【試乗インプレ】トヨタ「スープラ」、BMW「Z4」、ポルシェ「718 スパイダー」。ピュアスポーツカー3車を乗り比べ /

スープラ 試乗 車

本年度生産分24台限定、しかも抽選販売という超稀少車だった。 ボディ色でいうとカラフルな試乗車も並ぶなかで、シュールでミュータントのようなスタイルを引き立てる色だ……と感じた。 一方でインテリアはBMW『Z4』と基礎は同じはずだが、共通項はほとんど散見されない。 意外にも今回に限ってはZ4よりも大人びた雰囲気に思える。 シフター、コマンドダイヤル等も専用であり、ステアリングもZ4がBMW流のグリップが太く握るのが精一杯の感もあるところ、『スープラ』は面で断面の内側を削いであり、そこに親指の腹を当てながらしっかりと操作ができる形状だ。 インパネ自体も水平基調の落ち着いたデザインで、メーターはアナログ表示式のタコメーターを中心に据え、その回りに必要最小限の情報が整理して配置される。 ドライバーの左右は、さり気なくニーパッドの役割を果たす形状になっている。 ハイバック形状のシートはホールド性の高い形状と硬過ぎないクッションのバランスが絶妙で、スポーツカーのシートらしい役目を果たしてくれるものだ。 フロントガラス上端(サイドウインド上端も)が低く、乗り込むと包まれ感が強い。 とはいえ、天地に低いフロントスクリーン越しに左右のフェンダーの盛り上がりを視野に入れながら眺める前方の視界は、タイトなレーシングカーのような雰囲気も味わえる。 想像を超えるジェントルさが素晴らしい そして走りだが、スポーティでありながら想像を超えるジェントルさが素晴らしいと感じた。 ボディ剛性の高さはクルマを走らせてすぐに実感するが、それ以上に足回りの洗練された仕事ぶりは注目に値する。 低速から山道までのいかなる状況でも、スポーツカーらしいしなやかな身のこなしと、入力の大小にかかわらず低級なショックを一切伝えない、洗練された乗り味が楽しめる。 これには、外部油圧バルブを用いたモンロー&オーリンズのアダプティブバリアブルサスペンションや鍛造ホイールが相当、貢献しているのではないかと思える。 車検証上で前/後=780/740kgの重量配分だが、山道ではドライバーは決して力まずとも、後輪に軸足を置きながらキレイに曲がっていく、気持ちのいいハンドリングが楽しめる。 340ps/51. 0kgf・mの性能を発揮する3リットルの直6エンジンは、後方から低く心地いいボリュームの排気音を聞かせながら、アクセルワークにとても素直に反応してくれる。 低速時や中間加速も望みどおりに反応してくれ、高回転域の伸びも申し分ない。 また乗り心地とともに、走行中の室内の静粛性の高さも新しいスポーツカーらしく、ロードノイズも気にならない。 なので、RZ(とSZ-R)に標準のJBLプレミアムサウンドシステムの12スピーカーも実に有意義で、ごく簡単に記せば、伸びのいい高音、メリハリの利いた中音、背後の2本のサブウーファーが引き締める芯のある低音など、ホームのJBL同等の上質で自然な音場空間が堪能できるようになっている。 大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。 以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。 《島崎七生人》.

次の

異次元に加速する直列6気筒【GRスープラRZ】 試乗レビュー

スープラ 試乗 車

本年度生産分24台限定、しかも抽選販売という超稀少車だった。 ボディ色でいうとカラフルな試乗車も並ぶなかで、シュールでミュータントのようなスタイルを引き立てる色だ……と感じた。 一方でインテリアはBMW『Z4』と基礎は同じはずだが、共通項はほとんど散見されない。 意外にも今回に限ってはZ4よりも大人びた雰囲気に思える。 シフター、コマンドダイヤル等も専用であり、ステアリングもZ4がBMW流のグリップが太く握るのが精一杯の感もあるところ、『スープラ』は面で断面の内側を削いであり、そこに親指の腹を当てながらしっかりと操作ができる形状だ。 インパネ自体も水平基調の落ち着いたデザインで、メーターはアナログ表示式のタコメーターを中心に据え、その回りに必要最小限の情報が整理して配置される。 ドライバーの左右は、さり気なくニーパッドの役割を果たす形状になっている。 ハイバック形状のシートはホールド性の高い形状と硬過ぎないクッションのバランスが絶妙で、スポーツカーのシートらしい役目を果たしてくれるものだ。 フロントガラス上端(サイドウインド上端も)が低く、乗り込むと包まれ感が強い。 とはいえ、天地に低いフロントスクリーン越しに左右のフェンダーの盛り上がりを視野に入れながら眺める前方の視界は、タイトなレーシングカーのような雰囲気も味わえる。 想像を超えるジェントルさが素晴らしい そして走りだが、スポーティでありながら想像を超えるジェントルさが素晴らしいと感じた。 ボディ剛性の高さはクルマを走らせてすぐに実感するが、それ以上に足回りの洗練された仕事ぶりは注目に値する。 低速から山道までのいかなる状況でも、スポーツカーらしいしなやかな身のこなしと、入力の大小にかかわらず低級なショックを一切伝えない、洗練された乗り味が楽しめる。 これには、外部油圧バルブを用いたモンロー&オーリンズのアダプティブバリアブルサスペンションや鍛造ホイールが相当、貢献しているのではないかと思える。 車検証上で前/後=780/740kgの重量配分だが、山道ではドライバーは決して力まずとも、後輪に軸足を置きながらキレイに曲がっていく、気持ちのいいハンドリングが楽しめる。 340ps/51. 0kgf・mの性能を発揮する3リットルの直6エンジンは、後方から低く心地いいボリュームの排気音を聞かせながら、アクセルワークにとても素直に反応してくれる。 低速時や中間加速も望みどおりに反応してくれ、高回転域の伸びも申し分ない。 また乗り心地とともに、走行中の室内の静粛性の高さも新しいスポーツカーらしく、ロードノイズも気にならない。 なので、RZ(とSZ-R)に標準のJBLプレミアムサウンドシステムの12スピーカーも実に有意義で、ごく簡単に記せば、伸びのいい高音、メリハリの利いた中音、背後の2本のサブウーファーが引き締める芯のある低音など、ホームのJBL同等の上質で自然な音場空間が堪能できるようになっている。 大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。 以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。 《島崎七生人》.

次の

GRスープラ緊急試乗!340馬力3.0Lでドリフトはできるのか?

スープラ 試乗 車

日本のクルマ好きたちにとって、2019年のもっとも大きなトピックと言えば、きっとトヨタ 新型「スープラ」がようやく日本の道を走り始めたことではないだろうか? トヨタ 新型「スープラ」(RZ)の試乗イメージ 初代スープラといえる「セリカXX」が、1978年にデビューしてから41年目。 2019年5月17日に開催されたトヨタ 新型「スープラ」発表会では、多くのメディアや一般ユーザーが集まり、新型スープラへの期待の大きさがうかがえた 言うまでもなく、新型スープラに対するファンの期待は大きい。 絶対に外すわけにはいかない、重要なモデルなのである。 そんなふうに言うと、どこかから「中身はBMWなのに?」みたいな声が聞こえてきそうだ。 確かに、ある意味それは正しい。 トヨタもBMWも、協業に関しては何ひとつ隠していない。 今回、新型「スープラ」にラインアップされる3グレード(RZ、SZ-R、SZ)すべてに試乗したが、BMWを思わせるようなフィーリングは感じられなかった なぜなら、初めて公道で走らせた新型スープラの乗り味からは、何も知らされずにステアリングを握ったとしたら、そうと気付く人などほとんどいないだろうと思えたほど、BMWの匂いは感じられなかったからだ。 何より新しいスープラの乗り味は、トヨタがどんなスポーツカーを作りたかったのかということをはっきりと示していたし、その方向性においてすばらしい出来映えを見せてくれた。 わけ知り顔でスルーしてしまうには、本当に惜しいと思うほどの存在なのだ。 そして検討を重ねていくうちに、両社の理想を満たすためには従来のモデルから構造体を流用するのではなく、まったく新しいプラットフォームを作り上げるべき、という結論に達する。 そこで、とりわけトヨタ側がこだわったのは、ホイールベースとトレッドの比率、そして重心高の低さだった。 トヨタは、BMWとの次期車共同開発の際に、「ショートホイールベース」にこだわったと言う この3点のバランスが、クルマの物理的な運動特性を決定づける基本となるからだ。 つまり、徹底してよく曲がる特性や、クルマが俊敏に動く特性を重視した、ということだ。 だが、同時にそれはまっすぐ走るときの安定性において不利に働き、曲がることに関しても神経質な動きを見せがちになることを意味している。 その気難しさを打ち消すためのもっとも大きな策が、「電子制御式アクティブディファレンシャル」の採用だった。 後輪左右のロック率を0から100の範囲でシームレスに変化させ続けることで、直進や高速走行時のコーナーリング、ブレーキングの安定性、加速時の駆動力、曲率の大きなコーナーでの回頭性など、すべての要素を並立させるという仕組みである。 トヨタとBMWにおける次期車のボディサイズ検証の際には、2シリーズ・クーペをベースにホイールベースが縮められ、ルーフカットされた試作車が用いられた。 社内では、通称「フルランナー」と呼ばれていたと言う そして、実際に2シリーズ・クーペの車体をベースにホイールベースを縮めるなどでトレッドとの比率を合わせ、全高を切り詰めて重心高の高さまで合わせた実験車を使って徹底的に検証を行ったうえで、クルマとしての成り立ちが決定する。 そして、ここからがおもしろい。 その後、トヨタとBMWは互いにまったく干渉し合うことなく、自分たちの流儀に沿ってクルマを仕上げていったと言うのだ。 わかりやすいところでいうなら、サスペンションやアクティブデフのセットアップ、細かなところならそうしたパートを支える部位の素材のチョイスなど。 必要と思われる個所にそれぞれ独自の考え方をふんだんに盛り込んだのだ。 たとえば、同じ素材を用いた料理でも調理する人が違って、使う調味料が違うとなれば、でき上がる料理はまったく別の味になる。 それと同じようなものだ。 かくして、新しいBMW「Z4」は、「Z3」の時代から続くこれまでの流れのなかで、最もスポーツカーらしい運動性能を持つモデルとなった。 もちろん、BMWらしい腰のしっかりと座ったフィーリングは健在だ。 それぞれ出力の異なる3つのグレードをラインアップ 新型スープラは、3つのグレードで構成されている。 3リッター直列6気筒ツインスクロールターボを搭載する「RZ」と、2リッター直列4気筒ツインスクロールターボを積む「SZ-R」「SZ」だ。 車重は1,520kgで、電子制御のアダプティブバリアブルサスペンションとアクティブディファレンシャルを標準装備する。 SZ-Rは、スープラでは初となる4気筒エンジンを搭載した高性能モデル。 こちらも電子制御のアダプティブバリアブルサスペンションとアクティブディファレンシャルを標準で備えている。 車重はSZ-Rよりもさらに40kg軽い1,410kgだ。 今回の試乗の舞台は、伊豆のワインディングロード。 道幅はお世辞にも広いとはいえず、ストレートと呼べる個所も少なめでウネウネとよく曲がり、路面は荒れて落ち着きのないところも多いエリアだ。 最初は「えっ? ここで新型スープラを走らせるの?」と意外に思ったのだけれど、逆に3つのモデルそれぞれに与えられているキャラクター性がはっきりと浮き立ったのだ。 これこそ、まさしくスープラ! パワフルな3L直6の「RZ」 トヨタ 新型「スープラ」RZグレードの試乗イメージ 最初に乗ったのは、RZだ。 やはり、直6はすばらしい。 言うまでもなくパワフルで、トルクをたっぷりと湧き出させてくれて、どこからでも鋭い加速が得られる。 また、何よりも回転フィールがすばらしく滑らかで、気持ちがいい。 官能的な排気音は、回せば回すほどに気分が高まってくる。 トヨタ 新型「スープラ」RZグレードの試乗イメージ そのエンジンの実力を、シャシーがしっかりと受けとめている。 コーナーのアプローチではその長さをまったく感じさせることなく、ノーズをスッと軽やかにイン側へと向け、4つのタイヤをきっちりとグリップさせながら安定した姿勢で素早く旋回し、出口ではしっかりとしたトラクションを感じさせながら鋭い加速体勢に転じていく。 ちょっとやそっと攻めたぐらいでは、音を上げない。 走ったコースは一般道だったから、後輪がグリップを手放したその先に何があるのかを試す気にはもちろんなれなかったけれど、前輪の路面への食いつきがすばらしくいいので、アクセルを一発入れて後ろを滑らせることで曲がっていくような芸当も、腕前と状況さえ揃えば容易に楽しめることだろう。 それでいて、こうしたパフォーマンスを持つスポーツカーにしては、乗り心地もなかなかのもの。 歴代スープラは、グランツーリスモとしての要素も求められてきた。 口元がゆるむほどに楽しい!「SZ」の爽快感 トップグレードのRZから、ボトムグレードのSZへと乗り換える。 直6から直4へ、3リッターから2リッターへ、340ps・500Nmから197ps・320Nmへ。 しかも、SZはアクティブデフやアダプティブサスを持たない、いわば裸のシャシーである。 最初にRZを乗っていたことから、正直期待感はあまりなかった。 ところが、驚いた。 SZの走りがすばらしく、口元がゆるむほどに楽しかったのだ。 トヨタ 新型「スープラ」SZグレードの試乗イメージ たしかにRZと比べてしまえば、明らかにパワーもトルクも不足している。 けれど、だからといって不満らしい不満が気持ちの中によどんでいくようなことが、まったくなかった。 なぜなら、SZに搭載されているエンジンは全域にわたってレスポンスがいい。 数値から想像していたよりもはるかに力強い加速感を楽しませてくれるし、サウンドもリズミカルで快い。 そうとまどわずに踏み切っていける満足感もあるし、車体の軽さも手伝って十分に速いと感じられるパフォーマンスを持ち合わせている。 トヨタ 新型「スープラ」SZグレードの試乗イメージ そして、さらに驚いたのはコーナーリングだった。 鼻先の動きが、RZよりさらに一段階軽いのだ。 RZしか知らない段階では気にならなかったが、やはり6気筒エンジンの重さが作用しているのだろう。 RZも十分に軽快といえるレベルにあるのは確かだが、上には上があった、ということだ。 電子制御のデフとサスを持たないことで、ホイールベースの短さがどの程度いたずらするのかと最初は少し懐疑的だったが、少なくとも今回の試乗においてそれがデメリットとなってあらわれたことは一度もなかった。 前輪も後輪もしっかりとした踏ん張りを見せながら素直にコーナーをクリアし、過不足のないトラクションを感じさせながら気持ちのいい加速を見せる。 それは、ベースとしてのシャシーの出来映えがすぐれていることの証だろう。 それに加えて、SZはフィーリングがとても自然だ。 何かを素手で触っているみたいな感覚、と言えばいいだろうか。 爽快感を覚えたのは、実は本当に意外だったのだけれど、このSZだった。 エンジンとシャシーのバランスが絶妙!「SZ-R」 トヨタ 新型「スープラ」SZ-Rグレードの試乗イメージ ならば、2リッター直4ターボの高性能版、SZ-Rはどうだろうか。 普通にゆったりとクルージングしているときにはSZとの大きな違いは感じられないけれど、深く踏み込んでいくと、+61psと+80Nmの差は歴然。 回すほどに速さを増し、スピードをメキメキと高めていく。 もちろん、RZの3L直6エンジンと比べたら少し分が悪いけれど、実際のところ、その力強さと速さには少しも不満は感じられない。 発進した直後には立ち上がりきっている最大トルクが幅広く続くのは頼もしいし、トルクがドロップし始めた頃にはすでに十分なパワーが弾き出されているからだ。 しかもそれは、もう少しワイドなところに持ち込んで頑張れば使い切れるのでは? と思えるくらいの、持て余し過ぎない高性能。 サウンドもSZと同様に、なかなか心地いい。 トヨタ 新型「スープラ」SZ-Rグレードの試乗イメージ そのエンジンと、SZにほぼ等しいといえる動きの軽さの組み合わせは、相当に気持ちいい。 SZのナチュラルさを知ってしまった後では薄皮1枚挟まっている感もないではないが、アクティブデフとアダプティブサスがさらなるグリップ感、安定感、正確性を与えてくれて、一段階すばやくコーナーを駆け抜けられるばかりか、自由自在にクルマが動いてくれるような気持ちよさを感じさせてくれる。 エンジンとシャシーの相性が一番いいのは、このSZ-Rかもしれない。 トヨタ 新型「スープラ」SZ-Rグレードの試乗イメージ ただし、ランフラットながら扁平(へんぺい)率の低いタイヤを履くことでどこか当たりのやわらかさを感じることのあるSZと違い、軽さと扁平率の相関関係なのか、SZ-Rの乗り味に若干の硬さを感じた瞬間があったのも事実。 だが、おそらくそれはトヨタとしては織り込み済みで、活発な走りを好むドライバーに向けたバランスを探り当てた結果が、このSZ-Rなのでは? と感じている。 新型「スープラ」のグレード選びは非常に悩ましい 3つのモデルを試乗した僕に言えることは、新型スープラはどのモデルを選んでも間違いなく楽しいスポーツカーであるということだ。 そして、SZは自然で素直な気持ちよさを持っていた。 けれど、いっぽうで新型スープラは無視することのできない個性を持つ、ふたつの魅力的な4気筒モデルを生み出した。 しかも困ったことに、価格はRZが690万円、SZ-Rが590万円、SZが490万円と、それぞれきっちり100万円違いという設定だ。 こうなると、信念を持って6気筒を選ぼうとしていたのに気持ちが揺らぐ、なんていう人も出てくるかも知れない。 「おまえは、どうなんだ?」と問われたとしても、僕も即答するのは難しい……。 41年前、セリカをベースに初代スープラ(=セリカXX)が生み出されたことの逆をたどって、いっそ4気筒モデルを「セリカ」の名前で売りしたらまだ選びやすかっただろうに……なんてことを思わず考えてしまう。 それくらい、3つのグレードはそれぞれ甲乙つけがたい魅力を持ち合わせているのだ。

次の