前立腺肥大症の治療について 「前立腺肥大症」は、直接生命をおびやかすような病気ではありません。 しかし、「排尿障害」という日常生活で心身につらい影響を与える症状をもたらします。 この状態を少しでも和らげるためにも、早めに専門医の治療を受けることが重要です。 「歳をとったら若いころのようには排尿できないのは当たり前」とあきらめる前に、まずは相談してみましょう。 適切な治療を受けることで、その症状がよくなる可能性はまだ残されています。 前立腺肥大症の治療法は、症状(とくに排尿障害)の程度や、前立腺の状態によって変わります。 これらの治療法には、それぞれに違った注意点がありますので、医師の説明をしっかりと聞いて理解し、自身で納得のいく治療を受けましょう。 お薬による治療は、前立腺肥大症の治療でまずはじめに検討される標準的な治療法です 1 ,2。 前立腺の肥大がかなり進むなどしてお薬の効果が見込めない場合以外の、多くの方に行われている治療法です 1 ,2。 お薬には、その効き方によって大きく3つの種類があります。 これらのお薬から、症状に合わせて適切なものを選び、服用することで症状を改善させます。 お薬は毎日決められた服用方法で飲み続ける必要があります。 症状が改善したからといって、自分の判断で飲むのをやめてしまうと、症状が再びあらわれる可能性があります 1 ,2。 また、お薬の種類によっては、効果を実感するまでにある程度期間が必要なものもあります。 医師の指示をしっかり守り、決められた通りに飲み続けましょう。 お薬を飲むことで別の症状があらわれた場合や、お薬についてなにかわからないことがある場合には、すぐに医師や薬剤師に相談しましょう。 症状が重くなり、お薬による治療だけでは改善が見込めない場合、治療法として手術が選択されます 1 ,2。 手術直後には出血や炎症による痛みなどが起こりますが、数週間程度でおさまります 1 ,2。 しかし、ごくまれにこうした症状が長く続いたり、手術した部位に感染症をおこしたりする場合もありますので、手術後に気になる症状が現れたら早急に医師に相談しましょう。 手術を受けるにあたっては、少なからず身体の負担がある治療ですので、医師の説明をよく理解し、ご自身で納得した上で受けるようにしましょう。
次の前立腺肥大症に効く漢方薬ってあるのしょうか? じーっと、じーっと、お手洗いで立ち尽くす辛さ。 辛いですよねぇ、、、。 前立腺肥大症をわずらうというのは、 毎日毎日何回も、というか、ずーっと続く違和感がありますね。 なんとかその辛さ・違和感から開放されたいものです。 でも、いわゆる西洋薬は飲みたくないという方も 実はかなりいらっしゃいます。 そのような方から、 「前立腺肥大症に効く漢方薬ってないの?」とよく相談されます。 実はそれが、あるんですよね~。 そこで、今回は、 「前立腺肥大症に効く漢方薬」についてご紹介します。 前立腺肥大症に効く漢方薬とは? 前立腺肥大症に効く漢方薬には、いくつかありますが、 今回はそのうちの1つをご紹介しましょう。 それは、「八味地黄丸」(ハチミジオウガン) という漢方薬ですね。 ツムラの番号って、理屈抜きで覚えないといけませんから、 困ったものですよね。 本当にこまったものです。 医療従事者泣かせですよ(泣) それと、各 漢方薬メーカーで番号が違うことがあって、 ややこしさに拍車をかけることがあります。 八味地黄丸とは?どんな漢方薬なの? 八味地黄丸(料)(ハチミジオウガン(リョウ)とは、 文字通り 【生薬が8個配合されている漢方薬】 のことをいいます。 ジオウ、サンシュユ、サンヤク、タクシャ、ブクリョウ、ボタンピ、ケイヒ、修治ブシ末 の合計8つですね。 「丸薬」とは? あと、名前に、あと八味地黄【丸】ってついていますよね。 これは、テキトーに船の名前の様に、 「丸」ってつけているわけではなくて、 その昔、「八味地黄丸」というこの組み合わせの 漢方薬を作る時に、「丸い」錠剤のように 押し固めてつくった漢方薬だからなんですよ。 それで、本来は、この「八味地黄丸」というお薬は、 粉末や、お湯や水に溶かしたりして飲むよりかは、 飲みにくいかもしれませんが、 「丸い錠剤」のようにして飲むのが、 一番効果が高い、といわれています。 まぁ、もちろん、丸い錠剤なんて、 大きくて喉に引っかかってしまう という方もいらっしゃいますから、 エキスを顆粒状にしたものが一般に用いられていますね。 前立腺肥大症に効く漢方薬のまとめ ということで、今回の記事では、 前立腺肥大症に効果がある漢方薬のひとつとして、 「八味地黄丸」というお薬をご紹介しました。 前立腺肥大症に効く漢方薬は他にもありますので、 別の記事で紹介しましょう。 smartcosme.
次の泌尿器科の病気について 前立腺肥大症 前立腺肥大症とは、文字通り前立腺が肥大して、様々な排尿の症状を引き起こす病気です。 前立腺が肥大する原因は完全にはわかっていませんが、男性ホルモンなどの性ホルモン環境の変化が関与すると言われています。 前立腺肥大症を発症する明らかな危険因子は加齢ですが、その他に遺伝的要因、食生活、肥満、高血圧、高血糖、脂質異常などがあげられます。 前立腺と前立腺肥大症 前立腺は男性にしかない生殖器の一つで、前立腺液といわれる精液の一部を作り、精子に栄養を与えたり、精子を保護する役割を持っています。 前立腺は直腸と恥骨の間にあり、膀胱の出口で尿道を取り囲んでいます。 このため、前立腺が肥大すると尿道が圧迫されて、排尿に関わるいろいろな症状が出現します。 前立腺は、尿道の周囲にある内腺とその周りにある外腺に区分されますが、前立腺肥大は尿道周囲の内腺に発生し、前立腺癌は外腺に発生します。 一般的な成人男性での前立腺の大きさは、体積で表した場合には20ml以下と言われています。 よく、「クルミぐらい大きさ」と例えられます。 ところが、前立腺が肥大すると、クルミ程度の大きさのものが、卵やみかんの大きさになります。 前立腺肥大症の原因と症状 前立腺肥大症になりやすい人 前立腺肥大症の頻度は、年齢とともに多くなり、50歳から頻度が増加します。 組織学的な前立腺肥大は、30歳代から始まり、50歳で30%、60歳で60%、70歳で80%、80歳では90%に見られますが、そのすべての方が治療を必要とする症状を伴うわけではありません。 肥満、高血圧、高血糖および脂質異常症と前立腺肥大症の関係が指摘されており、メタボリック症候群との関係についても、検討されています。 野菜、穀物、大豆などに多く含まれるイソフラボノイドは前立腺肥大症の発症抑制効果があることが指摘されていますが、喫煙やアルコール、性生活との関係は明らかではありません。 原因 前立腺が肥大する原因はまだはっきりとは解明されていません。 しかし、「男性ホルモンの働き」が関与していることは間違いなく、中高年になって男性ホルモンを含む性ホルモン環境の変化が起こることにより、前立腺が肥大すると考えられています。 症状 前立腺肥大症では、排尿症状(排尿困難をはじめとする、尿を出すことに関連した症状)、蓄尿症状(尿を貯めることに関連した症状)、排尿後症状(排尿した後に出現する症状)がみられます。 排尿症状 排尿困難とは、尿が出にくい症状の総称ですが、「尿の勢いが弱い」、「尿が出始めるまでに時間がかかる(尿を出したくでもなかなか出ない)」、「尿が分かれる(尿線が分かれて出る)」、「排尿の途中で尿が途切れる」、「尿をするときに力まなければならない」などの症状があります。 蓄尿症状 前立腺肥大症では、多くの場合頻尿がみられます。 頻尿については、一日に何回以上という定義はありませんが、昼間(朝起きてから就寝まで)については概ね8回より多い場合、夜間は就寝後1回以上排尿のために起きる場合、それぞれ「昼間頻尿」、「夜間頻尿」と考えられます。 「尿意切迫感」は、急に我慢できないような強い尿意が起こる症状を言います。 また、尿意切迫感があって、トイレまで間に合わずに尿が漏れてしまうような症状を、「切迫性尿失禁」と言います。 尿意切迫感があり、頻尿を伴うものを過活動膀胱といいますが、前立腺肥大症の患者さんの50~70%が過活動膀胱を合併します。 過活動膀胱では、まだ膀胱に十分尿が貯まっていないのに、膀胱が勝手に収縮してしまうので、すぐに排尿したくなってトイレに行く、つまり頻尿になります。 前立腺肥大症で、排尿後に膀胱内に尿が多量に残るようになると、膀胱に貯められる尿量が減って、結果的に頻尿になる場合もあります。 排尿後症状 「残尿感」とは、排尿後に「どうもすっきりしない」、「尿が残っているような感じがする」といった感じのことです。 また、尿が終わったと思って、下着をつけると尿がたらたらっともれて下着が汚れることがありますが、これを「排尿後尿滴下」と言います。 前立腺肥大症の進行と合併症 前立腺肥大があっても、必ずしもすべて治療が必要になるわけではなく、前立腺肥大によって起こる症状がどの程度か、またどれくらい生活の支障となるかが重要です。 また、一般的には前立腺肥大症は加齢とともに徐々に進行しますが、前立腺サイズや症状がまったく変わらないことも少なくありません。 したがって、前立腺肥大症でも自覚症状が軽度であれば、経過観察で様子をみればよいし、予防的に治療をする必要もありません。 しかし、前立腺肥大症が進行すると、症状の悪化のみでなく、次のような様々な合併症を引き起こすことがあります。 肉眼的血尿 前立腺肥大のために、尿道粘膜の充血が起こり、前立腺部の尿道粘膜から出血して、血尿が出やすくなります。 尿路感染 排尿障害のために、膀胱内に残尿が残るようなると、尿路感染が起こりやすくなります。 尿閉 膀胱内に尿が充満しているにも関わらず、尿が出せない苦しい状態となり、これを尿閉(にょうへい)と言います。 前立腺肥大が高度なほど(前立腺が大きいほど)起こりやすく、飲酒、風邪薬の服用が尿閉を引き起こす要因として頻度の多いものです。 膀胱結石 膀胱内に常に残尿がある状態が長期間続くと、膀胱内に結石ができることがあります。 腎機能障害 膀胱内に多量の残尿が残るようになったり、排尿障害のために膀胱壁が高度に肥厚(厚くなる)すると、腎臓から膀胱への尿の流れが妨げられ、腎臓が腫れる状態(水腎症)となり、腎不全になることがあります。 溢流性尿失禁 溢流性(いつりゅうせい)尿失禁は、膀胱内に常に多量の残尿が存在するために、膀胱内にそれ以上尿が貯められなくなり、まるでダムから水が溢れるように、尿道から尿が溢れ出て、いつも尿がちょろちょろと漏れる状態を言います。 後述するように、前立腺肥大症に対しては、まず薬物治療が行われますが、上記のような合併症を発症した場合には、手術による治療が行われます。
次の